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【涙が止まらない!】映画「湯を沸かすほどの熱い愛」レビュー 口コミやDVD情報も。

観る人の心を揺さぶる衝撃の映画。必見です!

こんにちわ。先日友達と、劇場公開がそろそろ終わってしまいそうな「湯を沸かすほどの熱い愛」を観てきました。
前情報として公式サイトをチョロっと見て

という情報だけ頭に入れて観に行きました。

atsui-ai.com

設定的に、これはきっと泣ける映画なんだろうな…と覚悟はしていたのですが、想像以上に心を揺さぶられて、2時間ずっと涙が流れ続けました。

家族ものの映画は、観る人それぞれが抱えている”テンプレート”が違うので、好き嫌い分かれるジャンルだと思います。たとえこの映画に共感したり感動したりできなくても、この映画が持つ衝撃、心を動かすパワーに多くの人に触れてほしいと思い、レビューを書くことにしました。下記、若干のネタばれを含みますのでご注意ください。

こんな人におすすめ

  • 日常を忘れるような衝撃/感動を味わいたい人
  • 生きる意味について、常日ごろ問い続けている人
  • 2,3日余韻が残るような濃い映画を見たい!という人
  • 泣いて泣いて泣き尽くしたいという人

死ぬゆく母の熱い思いにひたすら圧倒される

銭湯「幸(さち)の湯」を営む幸野家。しかし、父が1年前にふらっと出奔し銭湯は休業状態。母・双葉は、持ち前の明るさと強さで、パートをしながら、娘を育てていた。
そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。その日から彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を決め、実行していく。
☑家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる
☑気が優しすぎる娘を独り立ちさせる
☑娘をある人に合わせる
その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛を込めて母を葬ることを決意する。

ストーリー|映画『湯を沸かすほどの熱い愛』オフィシャルサイト 

映画の始まりは、とても悲壮的です。宮沢りえさん演じる双葉は、夫に逃げられパートタイムで家計を切り盛りしながら娘の安澄ちゃん(杉咲花)を育てていますが、高校生の安澄ちゃんは学校でいじめに遭っています。美術の時間ではいじめっ子に絵の具を全身に塗りつけられ、体育の授業の後には制服を隠され、1人体操着のまま授業を受ける。逃げ道のない安澄ちゃんは不登校を選ぼうとしますが、娘に強く生きてほしいと願う双葉は、いじめと真っ向から立ち向かうことを安澄に求めます。

そんな状況にも関わらず、双葉はパートタイムで働いているパン屋でレジ打ちをしている最中に昏倒してしまいます。病院に運ばれた双葉に、医師はステージ4の末期癌であること、脳への転移が見られること、そして余命があとわずかであることを、残酷にも伝えるのです。

私はこの時点で(開始20分も経っていなかったはず)、もうこの先観続けることができないんじゃないかと思うくらいの悲しみに包まれました。双葉が亡くなったら、安澄ちゃんはどうやって生きていくのか。杉咲花さん演じる安澄ちゃんは、純粋で心優しい反面、社会を狡猾に生き抜いていくズルさ、力強さ、面の皮の厚さをまだ持っていません。自分が死ぬという現実よりも娘の将来を案じて止まない双葉の気持ちがひしひしと伝わってきて、いてもたってもいられなくなりました。

ダメだけど憎めない夫が家族を作り直す

公式サイトのストーリー紹介にもある通り、余命宣告を受けた双葉はすぐに気持ちを切り替え、残された時間で、残される者たちのためにできることを全うしようと行動に移します。最初に双葉がしたことは「家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる」です。
他所に女を作って出ていったしまった夫(オダギリジョー)の居所を興信所を使って明らかにした双葉は、愛の巣に乗り込み、1人カレーを作っていたオダジョーを我が家に連れて帰ります。このあたりから物語は一転してきます。オダジョー演じる夫は本当にダメ男で、女にだらしがなく、お酒とタバコが好きで、パチンコにも目がない。絵に描いたようなダメ男なのですが、不思議と憎めないんですね。彼には打算がなく、自分に正直すぎるからこそ女にだらしなく、ニートのような生活を送っている。ただ、双葉の余命知ってからは双葉の近くにいようとするんです。何にもできないんですけどね。
そんなダメ男を双葉が呼び戻したのは、紛れもない、「家族」だからです。
晴れて幸野家に戻ったオダジョーは、家業である銭湯を再開させ再び家族の形を取り戻します。

母のいない娘たちの物語

しかし、オダジョーはただ幸野家に戻るだけではなくて、愛人との間の娘鮎子を幸野家に連れてきました。鮎子の母は新しい男と駆け落ちし、身寄りがない状態だったのです。
双葉はそんな鮎子を、幸野家の一員として迎えます。余命わずかな双葉、不甲斐ないダメ夫オダジョー。繊細な安澄と母に逃げられた鮎子の、奇妙な家族生活が始まるのです。
物語は、残された2,3ヶ月で双葉が家族に伝えようとしているメッセージ、そしてそれを濃密な時間に変えようとする家族の努力、覚悟が描かれ、どのシーンを取っても涙をこぼさずには観れないものとなっています。
ネタバレを避けたいのでファジーにしますが、この物語を貫くのは「母のいない娘たち」というテーマです。
話の途中で、鮎子同様双葉自身も、母親に捨てられた過去があることが明らかになります。母のいない双葉、母を失う安澄、母に逃げられた鮎子。「母のいない娘たち」が、限られた時間の中で何を分かち合い、何を感じるのかー。
(※このレビューでは明らかにしないもう1要素があるのですが、それは実際に観て確認してくださいませ)

最初に家族というテーマはそれぞれにテンプレートが合って好き嫌い別れると言いましたが、誰しもに母という存在がいるので、この映画が描く「母を失うこと」は何かしら観る人に訴えかけるものがあると思います。
もちろん、お母さんがまだ存命の方も、亡くなった方もいらっしゃるかもしれません。そして、自ら母になった方もいらっしゃると思います。
私をこの世に産んでくれた母が、出産を通じて私に何を伝えようとしてくれたのか。
出産という人生の大きな決断をもって、母は私たちに何を与えてくれたのか。
私たちの生の根源に「母」という避けれられない存在があるからこそ、この映画が問う「母を失うこと」というテーマが私たちの心を揺さぶって止まないのではないかと感じました。

映画としての完成度は、言うまでもなくパーフェクト

最近の映画ではおそらく長めの部類に入る2時間超えの作品ですが、出演者の演技が素晴らしくて時間を忘れて見入ってしまいます。

主演の宮沢りえさんは、2017年度の最優秀主演女優賞を本作で獲得しました。娘役の杉咲花さんは、新人俳優賞と最優秀助演女優賞を獲得。特に杉咲さんの脚本を感じさせない自然体の演技には涙腺がキュウキュウ音を立てるほど涙が流れました。

私的には、ダメ夫を演じたオダギリジョーさんの演技を是非皆さんに見てほしい。困難に立ち向かう双葉の周りをウロウロするだけで、ほんと何にもできないんです。オダジョー。それが愛おしく切なくて、この映画はオダギリさん抜きでは成立しなかったんじゃないかと思うくらい印象に残りました。オダギリさんはドラマ「時効警察」でちょっと抜けた役を演じるのが上手い方だな、と思っていたのですが、本作ではその抜け具合と、双葉を支える真っ直ぐだけど不器用な愛情表現しかできない夫を演じきっていて、オダギリさんを一層好きになりました(あれだけイケメンなのに、二枚目完璧キャラ以外をこれほどまでに演じられる方は少ないと思います)。
幸野家の人以外で物語に重要なファクターとなる放浪者の拓海演じる松坂桃李さんも、私たちを惹きつけてやまないキャラクターを演じ、この物語への居心地の良さを与えてくれました。

twitterでの口コミ

泣けた!とかじゃなくて、号泣ですよね。

飛行機の中で見るもんじゃないですね。周りに心配される 笑

たぶん、何年たってもこの映画のこと覚えていると思います。

この感想はすごいリアル。

新海監督まで!

前前前世の人も!

一応、オチで品川さんも。

感動はぜひDVDで

残念ながら、劇場公開は3月で終了してしまいそうです。まだ観ていない方は2017年4月25日にDVD化されるそうですので、ぜひ観てください!そして、筆者はtwitterをやってますのでぜひ感想を教えていただけると嬉しいです。
どんどん新しい映画が公開されていて、中には素敵な映画もあるかと思いますが、これほど心が揺さぶられる映画は少ないと思います。最近感動する映画を観ていないな、という方はぜひ、「湯を沸かすほどの熱い愛」を観てみてください。